キャッシュによる WordPress の高速化に関する誤解・勘違い

最近ちらほらネットで見かける「キャッシュによる WordPress の高速化」に関する記事には、誤解・勘違い・比較条件のずさんさが多く、信頼性に乏しいものも多いのでご注意下さい。

WP Super Cache 最高!みたいな風潮がありますがそうでもないです。
W3 Total Cache も似たようなもんです。
いずれも使いこなすには相応の知識が必要です。
あと、.htaccess にいろいろと仕掛けが追記され、自分でも何か設定を書く人は要注意です。

Nginx と WP Super Cache を比べてどうのという話は特に信頼性が薄いです。明らかに Nginx が(比較にならないくらい)効果があると断言しておきます。その後の運用の幅も違います。

Nginx と WP Super Cache の併用でどうのという話ははっきり言って無意味です。Nginx は表示するばっかりの状態になったものをまるごとキャッシュするので、Nginx 導入したら WP Super Cache の出る幕はないです。

Nginx を導入した場合は、Webサーバーが Nginx になります。一旦キャッシュされたコンテンツへの Webアクセスには PHPが一切動きません。MySQLも動きません。Nginx は Apache の数倍のレスポンス性能があるので同時接続数が数倍(たいてい3倍以上、あるいは4倍、5倍とか)になります。
でも WP Super Cache では、原理上、必ず定期的にPHPが動くのでそれほどまでの効果は期待できないと思います。

WP Super Cache はブラウザのキャッシュ機能を有効に使うという説明をしているサイトがありますが、それも正確な説明からほど遠いです。

要するにいろんな事をちゃんと理解していなくてなんとなく成功してブログに記事を書いている人がほとんどです。
でも、複数のブログで同じような記事を目にすると、その内容が間違っていたとしても数の力で正しいことのように錯覚してしまいます。
困ったものです。

所詮、WordPress のプラグインは WordPress のエンジンありきです。
当たり前ですが、Webサーバーである Apache と WordPress のエンジンをスルーして独自に高速な動作をするわけではないので、Nginx のようなものとは本質的に性能が違います。

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